「あなたには帰る家がある」山本文緒さん

赤ちゃんの「今」を残す手形アートpetapeta-art®やまざきさちえです。

 

 

今日は仕事でも家のことでもない話。

 

昔から本が大好きでして。

最近はなかなか時間が取れず読む本の量は激減していますが、20代の前半くらいまではそれは貪るように本を読んでいました。

 

 

その中で一時期はまっていたのが山本文緒さん。

ちなみに当時、私と同世代の人は、よしもとばななさんとか、江國香織さんを読んでいる人が多かったです。

 

 

ファッションと一緒で、文章にもそれぞれの個性はあります。

この二人の紡ぐ言葉は、ストーリーはもちろん、単語一つ一つの選択や、言葉を刻むリズムにも、独特の空気感を持ち合わせていて。

当時多くの私たち世代の女性を惹きつけていました。

 

私ももちろんこの二人の本が好きではあったのですが、寝食を忘れるくらい、どっぷりはまって読んだ小説、といった時に思い起こされるのは、山本文緒さんだったりします。

 

読んでいたのは10年以上前なので、一つ一つの話を細かに覚えているわけではありませんが、読みやすい文体で、ストーリー性もあり、テンポよく読んでいけるのに、だんだん引きずり出されてくる人間の内奥にある感情、くすんだ色の本質、潜んだ狂気。

 

見たくないけど見てみたい、一度のぞき込むと忘れられない、そんな作品にノックアウトされました。

 

 

当時の私の担当教官だった先生と

 

「わりと同世代で似た雰囲気の作家だと、角田光代もいるけど

 角田光代が描く闇の部分はフィクションとしての闇だって分かるけど

 山本文緒が描く闇の部分は人間の中から滲み出すような闇だよね」

 

という話をしたのをよく覚えています。

 

 

ちなみに山本文緒さんと、角田光代さんは同じ横浜出身で、年も5歳くらいしか変わらず、ファンの方に言うと怒られるかもしれませんが、作品の雰囲気もものすごくざっくり分けると似たところがあります。

ふたりとも原作がいくつも映像化されている人気作家さんです。

(有名どころで言うと「八日目の蝉」が角田光代さん原作です)

 

 

 

ちなみにこの話の後、実際に山本文緒さんはしばらく療養生活をされ、活動も緩やかになりました。

ちょうど私も自分のプライベートが忙しく本を読む時間が減り、しばらく物語そのものと疎遠だったのです。

 

 

が、最近になって、なんと山本文緒さんの小説がドラマ化されるというではないですか。

しかも主演は玉木宏さんと中谷美紀さん。どちらも好きな俳優さんです。

 

というわけで、ドラマも観ていました。

原作とドラマは結構違っていたので、詳細は割愛しますが、その中で印象的だったのは木村多江さん。

彼女が演じる茄子田綾子の、「一見普通なのに、中身がぶっ壊れた感じ(言葉が荒くて失礼)」が、たまたまかもしれませんが、山本文緒さんが描く物語の世界観を如実に表している気がして、

 

そうそう!これが山本文緒ワールドだ!

 

と一人膝を打ちながらテレビを見ていました。

 

 

そして主題歌、SuperflyFall」の歌詞もまたすごい。

サビの「地獄を見るほどの愛など微塵もないくせに」。

地獄を見るほどの愛、ってすごく激烈な愛なはずなのに、その「愛」が「微塵もない=かけらもない」ってよく考えると意味がちぐはぐなのです。

「わずかな愛のかけらもない」って文章なら意味が通りますが「激烈な愛のかけらもない」って普通なら書きませんよね。

 

でも、この「一見普通なのに、よく見ると違和感がある」って感じが、個人的にはものすごく山本文緒さんの描く物語の世界に近いのです。

 

ちなみにSuperflyさんも私の好きな歌手で、知っての通り素敵な歌をたくさん作られていますし、いつもはわりと一貫性のある言葉を選ばれているように感じるので、今回は意図的にこのような歌詞にしたのかな、なんて思っています。

(私が勝手に感じただけなので真偽のほどは分かりません)

 

 

そんなこんなで久しぶりに山本文緒さんワールドに触れた3か月間でした。

 

 

ちなみに、これを見て山本文緒さんに興味を持たれた方(いないかもしれませんが)、ドラマを観ていた方なら「あなたには帰る家がある」から入っても良いですが、一から読むなら「恋愛中毒」をおすすめします。

 

おすすめっていうか、その「一見普通なのに、ぶっ壊れた感じ」をより体感できる本だと思います。

 

 

この駄文を手形アートのHPにアップしていいのか迷いましたが、せっかくなのでアップします 笑。

読んでくださった方も、ありがとうございました。

 
 
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